Maxを、生きる

タントラライフ 〜変容のビジョン〜

  ラダ・C・ルーリオ  著    澤西康史 訳
        (和尚エンタープライズ・ジャパン 刊/税込価格2,000円)

和尚エンタープライズジャパンのサイト  http://www.kt.rim.or.jp/~oshobook/


  誰がこの世界を征服するだろうか
  この世界と、あらゆる神々が住まう死の世界を?
  だれが発見するだろうか
  究極の真理の輝ける道を?

  それはあなただ、
  花を探し求めるものですら
  最も美しい花、
  最もまれな花を見つけるのだから

        ゴータマ・ブッダ 『ダンマパダ(法句経)』 〜本文より〜

ティーンエイジャーの時にインドに渡り、Oshoという型破りな神秘家の弟子となったイタリア生まれの女性ラダは、瞑想に出会い、タントラの道に出会い、禁欲、性の全面的な探求の時代、コミューンでのハード・ワークの時代など、あらゆる強烈な体験を生きて、現代のタントラの分かち合い手となってゆく。
いくつもの映画を組み合わせたようなドラマティックな半生とともに、それを生きることを通して学びとられたタントラのエッセンスが、Oshoといにしえの神秘家たちの教え、実践的なタントラ瞑想の数々とともに語られる。


真の勇気

自伝的なものを書こうとするとき、人はだれも多少はものごとをゆがめて、いいふうにしようとするものだ。
私がこの本を読んでいちばんに感じたのは、ある新しい生活、特に精神的なものを探求する生活に入っていった場合に、もっとも人が書きたがらないある種の停滞、みじめさなどについて、著者が全く臆することなくオープンに描いていることであった。
 読んでいるだけで、当時の著者のはがゆさや苦しみが伝わってくる。そしてそれこそが世の中の本に欠けている大切な要素なのだと思う。思い出とはどんなものでも、振り返ったら普通は甘いものだ。この本の中にはそんな幻想はない。甘さも苦さも切なさも懐かしさもただそのままに、ごつごつざらざらした手触りで描かれている。まさに体当たりで、正直に自分を開いていく過程は勇気にあふれたものだ。ここに感じられる著者の姿は、どんどん自分を開いていって内臓までをも人に見せることを怖れない、戦士の姿に見える。そしてそれを素直に人とわかちあおうとする姿勢の中には、慈母のような優しさがある。
 ものすごく激しくきっぱりした性格を持っているはずの著者が、いつしかその内部に柔らかくあたたかい光を抱いているのである。
 火の中をくぐり、焼かれ、あちこちにぶつかって、著者は、真に人に何かを教えることのできる存在に成長していく。本来、タントラ的なものは個人で追求するしかなく、人に教わるわけにはいかないものだ。そのことをきちんとふまえながらも、どうやったら自分の体験を人に伝えられるかと著者は考え、正直に、ただ正直に描いていった。
貴重な体験をこういう形でわかちあってくれた勇気に敬意を表する。

よしもと ばなな  〜「タントラライフ」英語版・序文より〜

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